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妊娠中と出産後の漢方

『金匱要略』には、妊娠中と産後の弁証と方剤が詳しく書かれています。妊娠中はホルモンのバランスが変わり、つわり(悪阻)や浮腫みなどが起こりやすくなります。また、出産で消耗をしたり体質が変わったりすることで、めまいや不定期出血、腹痛など発症することもあります。その他、母乳が少ない、乳腺炎なども産後の特徴的な症状です。妊娠中と出産後に漢方は使えますが、より注意が必要です。

【つわり編】38歳 妊娠3ヶ月(第二子)

相談

悪阻(つわり)がひどい。料理の臭いだけでも気持ちが悪くなるので、料理を作ることができない。

弁証

『金匱要略・婦人妊娠病脈証并治第二十』によるとつわりの病因は「寒飲」とあるが、明らかな寒も熱も見られない。しかし水飲が胃部に停滞しているため胃気の下降が失われ、上逆している。

紹介した漢方

ツムラ小半夏加茯苓湯(21)と北京同仁堂「二陳丸」

結果

服用を始めてから、嘔吐の回数は少なくなった。カレーのような強い臭いがなければ、料理が作れるようになる。

【流産の予防編】 34歳
妊娠4ヶ月(第一子)

相談

以前流産をしたことがある。病院の検査で異常はないが、体質的に流産し易いと言われた。現在妊娠4ヶ月だが不安が取り除けないため、漢方を希望。冷たいものを取った後嘔吐したことがあるが、悪阻ではないと思う。また、胃下垂と言われたことがある。

その他の特徴

痩せ型で、もともと胃腸が強くなく、お腹を下し易い。

弁証

もともと脾胃が弱い「脾気虚」である。冷たいものを摂取した時に、水っぽい嘔吐があったことから寒湿が中焦に滞っている。『金匱要略・婦人妊娠病脈証并治第二十・10条』によると、ひどくは流産もあると指摘している。

紹介した漢方

ツムラ小柴胡湯(9)と北京同仁堂「参苓白朮丸」

結果

その後、嘔吐は一度もない。流産することなく無事に出産。

【授乳編】 35歳 産後1ヶ月 授乳中

相談

産後1ヶ月、何となくイライラする。子供が他の乳児と比べて、母乳を飲む量が多い。夕方になると体が火照る。

その他の特徴

寝汗をかく

弁証

出産で陰血が不足し、また母乳を与えることで陰血が更に不足。
陰が不足し、相対的に強くなった陽が「虚火」となる。虚火が盛んになり、心の神が不安定となり、イライラなど気持ちが不安定になる。陰の時間帯へと変わり始める夕方ごろ、虚火の影響で火照りを覚える。

紹介した漢方

北京同仁堂「生脈飲」「帰芍地黄丸」

結果

1週間で寝汗が減り、2週間で気持ちが安定する。1ヶ月後には自身快調と感じる。

【産後の鬱編】 29歳 産後2ヶ月 授乳中

相談

気持ちが憂鬱、めまい、便秘気味

その他の特徴

寝汗をかく

弁証

『金匱要略・婦人妊娠病脈証并治第二十・1条』に書かれている産後の特徴的な症状。
出産により血虚となり、陰虚へ発展する。相対的に多くなった陽が頭部に覆いかぶさるため、めまいが起こる。陽が大腸に影響すると便秘となり、心に影響すると気分が塞ぐ。陽が虚火となれば睡眠時津液を外に押し出すため、盗汗(寝汗)となる。

紹介した漢方

ツムラ小柴胡湯(9)と北京同仁堂「生脈飲」

結果

10日ほどで気分が晴れ、めまいも改善。便秘は3週間後に改善。

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